初心者にお勧めする図形のセットを下図に示します。
筆者はこの図形セットを基本に、業務フローを利用する目的、利用者のスキルレベルなどを考慮して図形を追加しています。でも、そのような考慮には慣れが必要ですし、図形セットだけでも十分に良い業務フローを描くことができます。
図形セットの中で「BPMNで業務フローを描いてみよう」で使い方を説明していないのはリンク中間イベントだけです。下図のようにシーケンスフローを分割するときに使います。必ず黒色矢印で一端終わって白色矢印で再開します。
分割されたフローの繋がりがわかりやすいようにイベントに記載する文字で工夫をします。
リンク中間イベントは以下のような場合に利用します。
- 業務フローが複数ページに分かれるときにページ間の繋がりを示す(ページコネクタ)
- シーケンスフローが長くなり過ぎたり複雑に交差したりしたときに見やすくする
なお、筆者はリンク中間イベントを、ページコネクタとして利用しますが、見やすくするためにはあまり利用しません。リンク中間イベントを利用しなくても見やすくなるように工夫するようにしています。
自由に追加できる図形「拡張成果物」は、以下のことに注意して利用してください。
- 拡張成果物に対応していない業務フローツールがある(フリーのツールで結構多い)
- 拡張成果物を社内標準化して好き勝手に図形を増やす状況にはしない
データオブジェクトとデータストアを使用せず、その代わりに拡張成果物を利用することも考えてみると良いでしょう。例えば、データオブジェクトをタイプ分けして「紙で出力した資料」、「E-Mail」、「CD等媒体」で図形を分けるような使い方です。
拡張成果物を上手に利用すると、ビジュアルでとてもわかりやすい業務フローになります。
第6回で説明した「記述適合サブクラス」の図形のうち、以下のものはセットに含めていません。
- ユーザタスク/サービスタスク
- コールアクティビティ
- タイマー開始イベント
- メッセージ開始イベント/メッセージ終了イベント
- 停止終了イベント
この後の連載で、全ての図形を紹介しながら含めなかった理由についても説明したいと思います。
逆に、「記述適合サブクラス」には含まれていない図形でも、以下のものはセットに含めています。
- リンク中間イベント
- 拡張成果物