BPMNの狙い(1)

ISO19510

BPMNは2つの狙いで作られました。1つは「業務フローの描き方を標準化したい」、もう1つは「描いた業務フローをそのままITシステムで動かしたい」という狙いです。

BPMN 1.xの仕様書には「多くの表記法の専門知識と使用経験」を持った人が集まって「UMLアクティビティ図、UML EDOCビジネスプロセス、IDEF、ebXML、BPSS、ADF(Activity-Decision Flow)図、RosettaNet、LOVeM、およびEPCs(Event-Process Chains)」を参考にしながら「1つの表記法に整理統合」したと書かれてあります。
つまり、業務フローには様々な派閥があって人によって描き方が大きく異なるので、それを統一するために、良いとこ取りしてBPMNを作ったということです。最近流行った映画「キングダム」のように天下統一を目指す世界ですね。
本当に天下統一できたのかはさておき、少なくともBPMNは統一を図れるだけのポテンシャルを持っていると思います。先ほど羅列したどの表記法であっても代替となれるだけの表現能力を持っています。BPMN業務フロー入門でも上級編までを用意しなければいけないほどの表現能力です。
UMLアクティビティ図、IDEF、LOVeM、EPCsは使った経験がありますが、そのどれよりもBPMNの方が描きやすいと思っています。

その一方で、BPMN 1.xでは業務フローを描けばBPELと呼ばれるITシステムを動かすためのプログラムを自動生成できるように仕様を決めましたが、それでは不十分でした。今はあまり目にしなくなったBPEL自体の力不足が原因です。そして、ITシステムを動かすという狙いはBPMN 2.0に引き継がれていきます。