作業フローとデータフロー

BPMNのコツ

BPMNは3つの矢印を使い分けます(詳しくはBPMN業務フロー入門の第2回を参照)。第2回とは違う話で使い分けのメリットを説明したいと思います。

筆者が業務フローを描くときには2つのことを考えています。1つは作業フロー、すなわち作業の順序性を表そうとする視点です。この作業が終わったら次に着手すべき作業は何かという流れを描いていきます。
もう1つはデータフローの視点です。作業の成果として書類やデータが出力され、それはどの作業で使われるかという書類やデータによる繋がりを描いていきます。

でも一般的には、おそらく2つの視点の違いを意識しないことが多く、よく見る業務フローでは下図のように作業フローとデータフローを区別しない描き方になっています。

次にその業務において新たに調達システムを導入する場合を考えてみます。下図のような業務フローになります。

「As-IsとTo-Beでフローが変わる」という状況が確認できます。

今度は同じことをBPMNで描いてみます。下図のようになります。

「データフローは変るけれど作業フローは変らない」という状況が確認できます。作業の順序性とデータの流れという異なる2つの視点で見ることができます。作業の順序性は業務改善において大切な視点なので、それが漏れなく見やすく可視化できている業務フローはとても役に立ちます。

さらに、作業内容を表す文字について見ていきます。
混在型のTo-Beでは「調達依頼データを登録する」という作業のアウトプットを意識した言葉になっています。業務フローを描くときには書類やデータを思い浮かべやすいので、それが主眼となりがちです。アウトプットに関わる作業、すなわち本来の主となる役割を果たした後の引継作業が書かれやすくなります(数多くの業務フローをレビューした経験則)。
一方、BPMNでは、まずは作業の順序性を描いてから、それにかかわる書類やデータを飾っていきます。「これらの作業が全て終わったらこの作業を開始する」というように、主に作業の開始に目がいきます。そのため、開始する作業内容を表す言葉「調達仕様を決める」が使われやすくなります。本来の役割を表す言葉になりやすいと思います。

どちらが正解という話ではありません。BPMNのメリットについて書いてきましたが、混在型にも、シンプルで見やすい、書類やデータの流れが確認しやすいなどのメリットがあります。
作業フローとデータフローの違いを認識した上で、混在型と分離型のうち相応しい描き方を選択してください(ただし、混在型はBPMNとしては仕様違反なので、そちらを選択する場合はBPMNとは言えなくなります)。

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