【連載】業務フロー物語(1)プロローグ:ハンドオフ分析のすすめ

諸事情により本連載は中止となりました。

はじめてBPMNに触れたのはBPMN仕様書の初版が公開された2004年。その翻訳版を日本で公開することにかかわったのが最初です。それから16年の間、セミナーの講師をしたり雑誌に寄稿したり、BPMNの啓蒙に努めてきました。でも、実は啓蒙していたのはBPMNではなくハンドオフ分析の方がメインだったと思っています。

ハンドオフ分析とは筆者が勝手に付けた名称ですが、ハンドオフという言葉は業務プロセス界隈ではよく使われています。はじめて目にしたのは次の書籍です。

Workflow Modeling: Tools for Process Improvement and Applications Development
(著)Alec Sharp, Patrick McDermott
(出版社)Artech House

同書は、業務改善やITシステム開発における業務フロー活用方法について解説する本です。業務フローを3つのレベルで記述することを推奨しています。

  • レベル1:ハンドオフ・レベル・ダイアグラム
  • レベル2:マイルストン・レベル・ダイアグラム(第2版ではサービス・レベルと呼んでいます)
  • レベル3:タスク・レベル・ダイアグラム

おそらく多くの読者がイメージしている業務フローがタスク・レベルに相当すると思います。それより粗いのがマイルストン・レベルで、さらにもっと粗いのがハンドオフ・レベルです。同書ではタスク・レベルはマイルストン・レベルを描いた後に必要とされる部分だけを描くものとしています(でも、必要とされる機会は少ないそうです)。
この物語のテーマは「ハンドオフ分析のすすめ」ですが、それは「多くの読者が業務フローとしてイメージするタスク・レベルは、なぜ描く必要性が低いのか」でもあります。

BPMN業務フロー入門の第3回で紹介した階層的な整理法は、前述のレベル1・2・3とは少し異なるのですが、根本にあるハンドオフの視点は共通しています。
本連載では、BPMN業務フロー入門の整理法を、架空の業務改善ワークショップでのヒアリング・シナリオに沿って紹介していきます。その中で「無駄を省き要所を整理すれば、短時間で、見えにくかったことが見えてくる」といったハンドオフ分析の神髄を具体的かつ実践的に感じることができると思っています。

ハンドオフ分析の詳細についてはエピローグで解説することとして、早速、物語を進めていきたいと思います。

この物語の主人公は「プロセス・デザイナ」と名乗っています。A社に雇われているコンサルタントです。A社は、業務フローを描くツール(ソフトウエア製品)を販売しており、同製品の「サポート依頼対応プロセスを見直したい」と主人公に伝えています。
期待に応えるため、主人公はA社にて業務改善ワークショップを開催することにしました。

次回は業務改善ワークショップの第1週目、主人公が業務の流れを把握するためにヒアリングするシーンです。

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